2001 CHEVROLET CORVETTE AT

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2014/9/23

ECU現車セッティング(DIBLOSPORT Trinity使用)・KOOKS Header・アレックスレーシングデザイン E.V.F.V. スーパーキャタバック・VARARAM Ram-Air Intake System・Taylor Pro Race Wires・EATON Carbon Clutch LSD等

最大出力288.8ps/6013rpm 最大トルク39.4kg・m/3980rpm

最大出力337.9ps/5571rpm 最大トルク47.5kg・m/4672rpm

今回はフルノーマルだったコルベットC5のAT車に吸排気系とLSD等を施工しました。
 
まず作業をする前にフルノーマルでパワーチェックを実施したところ、カタログ値では350psですがパワーチェックの結果は288.8psとなり約80%の値でした。
当社のダイノレースでパワーチェックをすると、どんな車両も(新車であっても)このような結果となりますので、カタログ値の350psから大幅にパワーダウンしているというわけでもありません。
単純にダイノレースで測定した現状の結果が288.8psという結果だったということとなります。
 
次に全ての作業を終わらせたあとに、ノーマルデータでパワーチェックをしてみました。
下部に掲載しているグラフの赤ラインを見ていただくとよくわかっていただけると思いますが、ピークパワーは上がっていますが、3500rpmを越えたところでパワーの上がり方が鈍って4500rpmまでが谷のようになってしまっています。
 
この原因として考えられるのは、変更した吸排気系とECUのデータのマッチングが悪いと考えられます。
もちろん吸排気系を変更した車両が、ノーマルのデータで綺麗にパワーが出る事はありませんので、その事がよく理解できる結果になったと思います。
 
次にTrinityにプリインストールされているDIABLOSPORTのチューンデータでパワーチェックをしてみました。(緑ライン)
結果としてはノーマルデータよりもピークパワーも出て、きれいなパワーラインにもなりました。
基本的にDIABLOSPORTのデータは、93オクタンガソリン+CAI(コールドエアインテーク)という名前になっていて、燃調や点火時期もノーマルからは変更してありますが、もちろんノーマルデータと同様に車両に合わせたデータではありませんので、まだ改善の余地があると考えてここから現車セッティングを始めていきます。
 
現車セッティングでは、ログデータをもとにして色々な部分のデータを変更します。
燃調に関しては何度も濃いめ薄めを試し、パワーが出る値を見つけます。もちろんこれは全域に渡って同じ値ではありません。点火時期に関しては、特に全域でのことですが、パワーが落ちないところまで燃料を濃くしてノッキング耐性を上げ、点火時期を進めてもノックリタードさせないようセットにします。
あと電子制御スロットルのマップですが、アクセルペダル開度に対してスロットルを急激に開かせすぎると息継ぎのような症状も出て乗りづらくなってしまうため、無駄に開かせすぎず渋滞時にも乗りにくくならないようにと考えながらセッティングします。
上記のようにして数十回、元々NAの車両に過給器を取り付けた車両等はゼロからのデータ製作になりますので、百回以上書き換えることもあります。
 
今回現車セッティングをしていて効果が高かったと特に思ったパーツは、排気系はもちろんそうですが、Ram-Air Intake Systemが効いていると思いました。このパーツはバンパー前面のダクトからエアクリーナーへ直接外気を導入しますので、ダイノレースでのセッティング時に吸気温度が室温プラス5度くらいで安定しました。
吸気温が高くなるとどういった事になるかと説明しますと、エンジンが壊れないよう点火時期をリタードさせ燃料も多く噴射するように補正されますので、結果的にパワーダウンしてしまう事になります。
もちろんこの補正値もセッティング時に変更はするのですが、なるべくこの補正が入らない状態で走ったほうが安定して速くなります。
どの車でもそうですが、いかに吸気温を低いところで安定させるかが重要だと思いますので、これを見ていただいているみなさんも、そういう視点でもパーツを選んでみるのもいいと思います。
エアクリーナーの吸気抵抗が少ないものに変更しても、吸気温度が上がるようなレイアウトのものでは結果的にパワーダウンしますので、ご購入される際はお気軽にご相談下さい。
 
話がこの車両だけのことから少しそれてしまいましたが、現車セッティングの結果フルノーマルからは49.1ps、部品をただつけただけの状態からは13.7ps上がりました。
NAの車両は、ターボ車のようにブーストを上げて簡単に(実際の現車セッティングは簡単ではありませんが)パワーアップというわけにもいきません。
部品を何も変えずにこの13.7psアップという結果に行き着くまでも、かなりの試行錯誤を重ねた上でセッティングしています。
もちろんピークパワーを追求するだけでなく、低回転から高回転に行き着くまでのパワー・トルクやハーフスロットル領域なども入念に確認し、何度もデータ変更をしてダイノレースでのセッティングを完了させます。
このようにして、マージンを残しつつ車両に取り付けられているパーツの性能を限りなく引き出し、なおかつ壊れない・壊さないデータを作成していきます。
 
実走した感想は、他の大排気量のアメ車の車重が2t近くあるなかコルベットは1500kg程度ということも相まってか、低回転からとてもパワフルでレブリミットまで加速感が続き、十分に速さを体感出来ました。
吸気温に関しては、実走でのログデータを確認したところさらに低い温度で安定し、パワーダウンしない良好な状態が確認出来ました。
 
弊社で今までセッティングしてきた色々な車両でもそうでしたが、国産車・輸入車問わずパーツを取り付けただけでは本来の性能を発揮出来ていない事が多いと考えられますので、ご自分の車両で不明な点や疑問点がありましたら、お気軽にご相談いただければと思います。
 
※9RECORDSのFacebookページもありますので、お時間があるかたはこちらもご覧下さい!この車両のセッティング時の動画も掲載しています!https://www.facebook.com/9records.importcar.tuning

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