2008 DODGE CHALLENGER SRT8 5AT
2013/10/4
ECU現車セッティング(DIABLOSPORT Trinity使用)・Borla XR-1 Headers・Arrington Performance 90mmスロットル・社外マフラー
最大出力348.2PS/6,297rpm、最大トルク45.6kg•m/4,513rpm
最大出力403.8PS/6,602rpm、最大トルク48.7kg•m/4,556rpm
今回は、2008チャレンジャーSRT8のECU現車セッティングとヘダース交換をしました。
この車両は元々DIABLOSPORTのプレデターにてデータをインストールしてあり、アーリントンの90mmスロットルも取り付けられていましたので、ノーマルデータやディアブロデータとのマッチングがどうなのか?という部分が気になります。
まずは持ち込まれた状態(ディアブロデータ)そのままでパワーチェックをしました。(青色データ)
次にノーマルデータへ復旧させてパワーチェックをしました。(赤色データ)
5,000rpmくらいまではノーマルデータの方がパワーもトルクも出ていますが、それより上の領域ではディアブロデータの方が勝っています。
そしてヘダースを交換してから、もう一度ノーマルデータでパワーチェックをしました。(緑色データ)
グラフを見るとわかるのですが、ヘダースを入れた効果で5,000rpmまでは交換前より上回っています。
しかしそこから上の領域での落ち込みが激しくなっています。
ヘダース交換により、元々設定されている燃調とのマッチングが悪いことが原因と考えられます。
このような現象は他のDODGE車両でも同じ傾向を確認しています。
次にディアブロデータをインストールしてパワーチェックです。(茶色データ)
こちらはノーマルデータに比べると高回転での落ち込みもなく、伸びていく様子が読み取れます。
こういったチェックの場合にも常にECUデータをロギングしていますが、ディアブロデータでは点火時期をかなり進角させているので、ほぼ全域でノッキングを感知して点火時期がリタードされています。
そしてECUはこの一時的なリタードを学習して蓄積していきます。
一旦蓄積された値は元には戻らないので、結果的にレスポンスもパワーも徐々に落ちていきます。
最後に現車セッティングをしたグラフです。(水色データ)
今までのどのデータよりも全域でパワーもトルクも上回っています。
ヘダース交換前と比べると、約60psの差が出ました。
以前現車セッティングをしたチャージャーSRT8と比べると変化量で約30psもの差があります。
仕様の違いはマフラー・スロットル・エアクリーナーで、ヘダースは全く同じものを使用しています。
一概には言えませんが、ビックスロットルの効果がかなり大きかったかもしれません。
これについては今後また検証していきたいと思います。
セッティングのポイントとしては、パワーとトルクが出るような燃料マップのデータ編集、ノッキングを起こさない点火時期の設定です。
もちろんそれだけではなく、電スロの設定やノックセンサーの設定、パワーを出すための燃料マップへ移行するタイミング等のその他さまざまなデータを変更して、ベストな状態へと導きます。
あとは街乗りで使用するような低速領域は、ノーマルより燃費が良くなるようにも設定しています。
高速道路で制限速度内での巡航の状態や街乗りで低回転だけ使うような走り方で比べれば、特に違いがはっきりわかるはずです。
今回の作業で、現車セッティングを行わないとせっかく取り付けた高性能なはずな部品の本来の性能を生かせない事がまた再確認出来ました。