2010 BMW MINI Cooper S AT
2013/9/19
現車セッティング(DIMSPORT TRASDATA使用)・27motorsports G-turbo kit アップグレードタービン・27motorsports スポーツキャタライザー・ノーマルマフラー
最大出力161.5PS/5,827rpm、最大トルク21.2kg•m/4,806rpm
最大出力189.8PS/5,876rpm、最大トルク23.9kg•m/5,544rpm
今回は、BMW MINI R56 Cooper Sを現車セッティングしました。
27モータースポーツハイフロータービン・スポーツ触媒・社外インタークーラー交換車ですが、今回はとりあえずノーマルマフラーでのセッティングです。
この車両は、OBD2からECUのデータを読み書き出来るタイプではなくDIMSPORTのTRASDATAというECUに直接機材をセットして使用するタイプだったので、下部の写真のようにECUの蓋をあけ基盤に配線を半田付けする作業が入ります。
最近の車両はエンジンルームにECUがあることが多く、防水のシーラーが純正でかなりしっかり施工してあり、蓋をあけるにもシールが硬いので基盤が壊れないようにかなり気を使います。
ダイノでパワーラインを確認、OBD2から記録できるログデータを確認した後ECUを外し、写真のように機材にセットしてデータを書き込むというのを何回も繰り返し、その仕様にあわせセッティングを取ります。
もともとターボ車なので、排気量1.6Lのわりにはパワーも出ています。
以前雑誌の企画でユーロコンパクトカーの新車を4車種パワーチェックしましたが、新しい年式の車両は弊社ダイノレースでもほぼカタログ値通りにパワーが出ていました。
この車両もカタログ値184ps、弊社ダイノレース測定で161.5psなので、3年落ちである程度距離を走っている事を考えると、まずまずの数値です。
セッティング内容ですが、やはりノーマルデータは燃費重視になっていますので燃料が全体的に薄めのイメージで、特に全開時の燃料の目標数値がイマイチでトルク不足に感じました。タービンを変えてブーストをただ上げるだけだとピークパワーやピークトルクは上がりますが、中回転域が全くついてきません。
グラフにはA/Fのライン(グラフ内上部に出ているライン)も出ているのですが、これを見るとわかるように青のノーマルラインに比べると、赤のセッティング後ラインは早めにパワーが出るように調整しているので、A/F値が早めに低いところで推移していることが読み取れます。
設定ブーストはノーマルブースト0.7k、に対して1.1kまでアップ。これはオーバーシュートもちょうど良いところにあわせ何度もプログラムを調整します。
その他にもペダルポジションにおける要求トルク、トルクオーバーしないようにトルクリミット等のさまざまな項目を、なおかつその車両の全体的な仕様を加味しエンジンや駆動系が壊れないように考えてセッティングしています。ここが他社とは違い9RECORDSがこだわる現車セッティングです。
直噴ターボということでどれだけ違いが出るかと思っていたのですがノーマルマフラーでもこれだけ全域でパワーもトルクも上がったので、今後はマフラーを変えた時にどのくらいパワーやトルクが上がるかが楽しみです。