2007 DODGE CHARGER SRT8
2013/7/20
ZEX Nitrous System取付・現車セッティング(DIABLOSPORT Trinity使用)
最大出力443.8PS/5,460rpm、最大トルク56.5kg•m/4,324rpm
最大出力540.0PS/6,626rpm、最大トルク85.4kg•m/1,819rpm
9RECORDS西東京officeの2007ダッジチャージャーSRT8です。開発車両的な位置付けでもあります。
以前ボーラのヘダースを入れて現車セッティングをしたのですが、ちょっと忙しくて掲載出来ませんでした。
ちなみにセットアップ事例にあるSMS570と同様に、ヘダースを取り付けただけでセッティングをせずにそのままパワーチェックをしてみたら、26psもパワーダウンしていました。
理由としては、ヘダースを交換するとノーマル時とはパワーが出るA/F(空燃費)が違ってくるためです。
それを適正な数値に合わせていくのが現車セッティングになります。
もちろん燃料の噴射量だけではなく、点火時期やその他色々な設定を変更したりします。
シャシダイ上で何回まわすだろう?ってくらいにデータを変更しては確認の繰り返しです。
今回はさらなるモアパワーを求めZEX Nitrous Systemを取付して、現車セッティングです。
ただしコンセプトは気軽に出来る範囲のチューニングなので、エンジン本体は何も変更していません。
このZEX Nitrous Systemは3種類のジェットが付属しています。
一番小さいジェットの組み合わせからセッティングを始めて一番大きい組み合わせまでテストしたのですが、うたい文句通りにパワーアップしなかったため最終的にはNitrousのジェットをドリルで拡大しました。もちろんパワーが出過ぎると危険なのと後戻りが出来なくなってしまうので、お客様の車両では行いませんが・・・。
結果からいうと、Nitrous無しで現車セッティングをした状態から約100psアップ!ノーマルからだと約130psのアップです!
ただし8気筒でこれだけパワーが上がるくらいのNitrousを噴射しているので、点火時期はかなりリタードさせてあります。
ガスが無くなった状態で踏んでも壊れませんが、Nitrous無しで現車セッティングした状態と比べると点火時期をリタードさせている分フィーリングも悪くパワーも出ません。
こういった場合ですが、セッティングしたデータは複数Trinityに保存出来るため、Nitrousをしばらく使用しない時はオーナー様ご自身でTrinityを使用してデータを書き換えられます。
あとNitrous仕様での注意点ですが、ガスの圧力管理が重要です。適正値があるのですが、低すぎても高すぎてもセッティングした時とのパワーの差が出てしまいます。
特にガソリンとNitrousを同時に噴射するウェット方式だと、ガソリンの量が変わらないためガス圧が高すぎるとA/Fが薄くなって危険な状態にもなりますし、ソレノイドがロックしてガソリンだけ噴射され、A/Fが濃くなってしまう事も考えられます。
この車両はトランクのパネル下にボトルを収めていて、普通に荷物も詰める様にしているため、ボトル本体に圧力計を取り付けてしまうと簡単には確認出来なくなってしまいます。
このような場合に便利なのが、NOSのP.O.D.というシステムです。このシステムはボトルの圧力と温度を監視して、適正な圧力になるよう自動的にヒーターをオン・オフしてくれるものです。コントローラーは運転席まわりに取り付けるのですが、液晶画面にボトルの圧力と温度も表示してくれます。
グラフを見ていただくとわかりますが、低回転からのトルクが凄まじいです!
セッティング後に初めて実走した時は、あまりの変わりようにオーナーと顔を見合わせてしまいました。
ただし今は高回転で物足りなさを感じているようで、中間からもう1段階Nitrousを追加する2ステージシステムを考えているようです。
※弊社のシャシダイでパワー測定する場合は出力値を補正をしておりませんので、他社のシャシダイで測定して出力される数値よりも低い数値が出る可能性があります。