2010 DOGE CHALLENGER SMS 570 (ウォーターメタノールインジェクションシステム)

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2017/7/14

ウォーターメタノールインジェクション取付、スーパーチャージャープーリー変更、9RECORDSオリジナルECU現車セッティング

最大出力570.5HP/5,755rpm、最大トルク74.3kg·m/3,582rpm

以前にエンジン製作させていただいたチャレンジャーSMS、仕様は9RECORDSオリジナルチューニングエンジンを搭載し強化AT、ケニーベルスーパーチャージャー等も搭載しています。
今回は、ブーストを上げ更なる出力アップを狙うことから弊害となる吸気温度を下げる対策の一つとしてウォーターメタノールインジェクションを取付け、スーパーチャージャープーリーをサイズダウンしブーストアップしセッティングしていきます。
 
作業内容としては、まずタンクの取付けですが、冷却用のクーラー等を追加しておりますので地味にスペースが無くて位置どりに少し悩みましたが、取付け用のカラーもワンオフで製作しました。バンパーを着けてしまえば見えない場所ですが、拘って製作しました。
ウォーターインジェクションノズルは噴霧状態と制御を考慮し、単純に取付けるのではなくスロットル前のインレットパイプにアダプターを製作し加工溶接して取付けました。これにより、ノズルの向きをスロットルへ向けて噴霧する事が可能になり抵抗を最小限に抑え吸い込ませられます。
 
今回のポイントはこのウォーターメタノールインジェクションシステムは水とメタノールを混合させ噴霧するので今までの状態よりも気化し易くこの気化する時に温度を下げられます。イコール、ベース吸気温度を下げる事でシリンダーへ入る吸入気温度が下げられます。また、これにメタノールのアルコール成分の効果で出力も変化しますが、水とメタノールの混合ですので噴霧じは空燃比や有効な点火時期も変化する為綿密な現車セッティングが必要になります。
 
作業とセッティングが無事に終了し、データ結果はピーク時の
エンジンパワーが570.5HP/5,755rpmトルク74.3kgm/3,582rpm
という結果になりました。
使用する燃料の種類により噴霧量が変わるのですが、今回はハイオクガスでセットアップという事で限界値を考慮し噴霧量は多くありませんが、確実に吸気温度を下げることに成功しました。スーパーチャージャーは高回転になればなるほど吸気温度も上昇します。その為ブーストアップの際に必要なダウンサイズプーリーを装着するとその上昇速度は速くなります。その為の今回の試みでしたが、実際の数値としては外気温度37度の条件下では通常の吸気温度の上昇幅よりも15度以上も下降させる事に成功しました。今まで吸気温度の上昇により制限があった、この領域での燃料や点火時期もさらに変更する事が可能になりました。
 
今回の感想としては、過給機の課題である吸入気温度ですがこの温度を下げ、なおかつメタノール成分の効果も出ます。良い事づくしではありますが、噴霧量や噴霧タイミングのセッティングにはとても神経を使いました。メタノールを噴霧した時には明らかに空燃比の変動が出ますのでこの変化を急激に起こさせないようにする事、それらを考慮した上で確実に出力アップさせる事など本当に綿密な設定を施す事が苦労点でした。
オーナー様はその後、ドラッグレースでタイムを短縮するなどされていますので、今回のシステムの導入やセッティングが良い方向に向いてくれたのでは無いでしょうか?
ぜひ、スーパーチャージャーなど過給機の吸気温度上昇でお悩みをお持ちでしたら、一度当社にご相談ください!
 
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富田 WM IJ
 
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