CHRYSLER 300C SRT8 AT

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2016/11/22

エンジンECU現車セッティング、ATミッションプログラム現車セッティング(9RECORDSデータ)DIABLO T1000使用

最大出力391.5hp/6,233rpm、最大トルク50.4kgキm/4,872rpm

最大出力408.7hp/6,545rpm、最大トルク55.1kgキm/4,702rpm

今回はクライスラー300C SRT8のセッティング事例になります。入庫時すでにコールドエアインテーク、マフラー、コイルの変更がされていました。当社ではセッティングの前にARH(アメリカンレーシングへダーズ)のへダーズを取付け作業を行い、エンジンECUとミッションプログラム現車セッティングを行っていきます。
 
ARHへーダーズの取付け前準備として耐熱対策としてチタンバンテージを巻いていきます。ARHへーダーズは入り組んだ形状をしている為、巻き始めから巻き終わりまでを想像し、効率や見た目などを考慮しながら、また緩まないようにきつく締め付けながら巻いて行くので作業的には高度な内容になります。バンテージを巻き終えたらノーマルのへダーズと交換していきます。その際には周辺部品の点検も行います。今回はオルタネーターも新品に交換し、セッティングによりパワーアップした時でも低回転から高回転まで安定した電気供給される事で安定した点火で良い火花を発生させることが出来るようにしました。供給される電気が低下してしまうと失火も起こしやすくノッキング等の原因にもなります。経年劣化や多走行車などのお車にはオルタネーターの交換は特におすすめしております。
 
無事にへダーズを交換し、セッティング用の空燃比センサー用ボスを加工と溶接で取付けシャシーダイノにセットし実動点検とストック状態でのパワーチェックからセッティングへと入っていきます。今回のセッティングではディアブロスポーツ トリニティT1000を使用し、まずは入庫時のストック状態にARHへダーズを装着し未セッティングの状態でパワーチェックと共にエンジンECUへ入力されるセンサーの値や制御している数値のデータロギング、追加で取付けたセンサーの数値の監視をしながら点検していきます。また追加でノックセンサーも取付けエンジンの音をヘッドフォンで聴きながらシャシーを回しノッキングや異音等に注意していきます。
 
ストック+へダーズでのパワーチェックをしてみると、現状のままだと高回転になるにつれて回転が重くなる傾向がありその原因もロギングにて判明しましたのでここは改善点の一つになりそうです。(←グラフの赤ライン)
その後ディアブロデータを入れての測定も同様に行いました。少し出力はアップしましたが、低回転からスロットルコントロールと中回転までの空燃比等にも改善点を発見出来ました。(←グラフの水色ライン)
 
ここから本格的なセッティングに入ります。
低い回転からのスロットルコントロールや空燃比、点火等の補正を行います。同じエンジンでもチャレンジャー等とECUがコントロールする方法が違い同じマップがない物もあります。そういった場合は一つの内容を変更したい時でもECU制御アップが異なる為その制御自体を細かく解析する必要があります。事前に行ったストック+へダーズのみのパワーチェックで発見出来ていた改善点とクローズドループからオープンループの制御変更でハーフアクセル時の安定や空燃比の調整に苦戦しましたが、低中速回転域から高回転域まで全域でのセッティングが無事に終了しました。
 
ミッションプログラム現車セッティングについてですがパワーチャートのグラフを見てみるとグリーンのラインが現車セッティング後のデータで他のラインに比べると高回転域でラインが長くなっています。これはATのお車ではエンジンECUの制御だけでなくミッションプログラムの変更による結果です。ミッションプログラム現車セッティングを施すと、シフトアップやキックダウンの変更も可能になります。今回はオーナー様より速度60キロ付近からアクセルを踏み込んでもギアが落ち辛く改善してほしいとのご希望もありましたので、その辺りの改善もしていきました。単純にシフトダウンタイミングの変更だけをするとエンジン出力とのバランスなどが崩れてしまいデメリットが大きくなります。手間はかかりますがエンジンECU現車セッティングとミッションプログラム現車プログラムを同時に双方のバランスを常に確認しながらシャシーで実走させ、その作業を繰り返し行いベストな状態にセッティングしていきます。
 
セッティングが無事に完了し、セッティング後の結果ですがピーク時の
エンジンパワーが408.7hp/6,545rpmトルク55.1kgキm/4,702rpm
セッティング前と比べるとエンジンパワーが17.2hpアップ!トルクが4.7kgキmアップ!
エンジン出力のアップだけでなく、自動でシフトコントロールするオートマの現車セッティングをする事で、更なるお車のパフォーマンスを引き出す事が出来ます。ぜひ、パワーアップと合わせてアクセルフィーリングやシフトタイミングなどを現車セッティングして違いを体感してみてはいかがでしょうか?
 
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