2007 FORD MUSTANG GT V8 A/T

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2016/8/29

エンジンECU現車セッティング、ATミッションプログラム現車セッティング(9RECORDSデータ)SCT FS3使用

最大出力242.7HP/5,991rpm、最大トルク34.3kgキm/4,286rpm

最大出力246.9HP/5,957rpm、最大トルク35.4kgキm/4,286rpm

今回はマスタングGTのエンジンECU現車セッティングとATミッションプログラム現車セッティングになります。こちらの車両はサーキットでのタイムアタックやドリフト走行などされているお車になりますので出力アップはもちろん、オートマのシフトタイミングの変更をする事で更なるタイムアップやレスポンス・フィーリングアップを目指します。
 
まずはお預かりした状態で機械的な点検を行い、その後に実際にシャシーダイノにてパワー・トルクの出方や車両の状態を確認していきます。またシフトタイミングの確認も行いました。
現状確認も異常なく無事に終了し、本格的なセッティングに入ります。
 
今回のセッティングではSCT FS3のディバイスを使用し車両ECUのシリアルを確認しメーカーからのストックデーターを元にセッティングを始めます。マップデータを編集製作したものをディバイスを通してECUに書き込みをしていきます。
しかしデータ書き込み後、エンジンをかけるとアイドリングすらまともに出来ない状態が発生しました。
原因を探求してみるとお預かり時での確認作業でのロギングデータからアイドリング時にエンジンECUが制御している数値と実際にセンサーから入力されている数値が全く別物だということが分かりました。その中でもエアフロメーターの数値が『別のエアフロメーターがついているのでは??』と思われるほどでした。
 
これはアメリカ車に多く見られるのですが、セッティングディバイスのデータが作られた際に違うエアクリーナーが装着されていた為か、ディバイスメーカーが独自にエアクリーナーをセット販売しデータを作成したなどの要因が考えられます。その為今回使用したSCT社のノーマルデータを読み込まなかったのではと考えています。
今回のようなこういった点を発見できるのもお預かり時の現状把握をきっちり行っているからだと思います。
補足になりますが、当社で今回なぜSCT FS3を使用したのかという事ですがメリットとしてSCT社はフォードマスタングのセッティングデータに長けている事と補正できるマップの数が他のディバイスに比べて多くそれだけ緻密なセッティングが出来るという点でフォードマスタングのセッティング時には使用しています。
 
セッティングですが、振り出しに戻り、マップデータの見直しを一つ一つかけていき、マップデータの数値をセッティングができる状態に手直ししていきます。エアフロメーター信号電圧のECUアップは新しく製作が必要になりました。今の状態ではエンジンが実際にどの位の空気を吸っているかの計算が出来ないためです。地道な作業ですが、まずは実際のエアフロメーター信号電圧の特性を計測しアイドリングさせるところからスタートです。
これを確認しながらお車に合わせられるのも現車セッティングの大きなメリットです!!
数値を入れてはシャシーを回し車両の状態確認という作業を何度も繰り返し、やっとエアフロメーター信号電圧のエンジンECUデータの暫定的なアップが完成しました。
このエアフロメーター信号とエンジン回転やエアフロメーター信号とスロットル開度などの組み合わせによりエンジンECUデータを決めている為、エアフロメーター信号電圧により成り立つマップが多く存在します。
今回発覚したエアフロメーター信号の違いによりエンジンECUは実際に吸気している吸入空気量とは違うマップエリアを読みに行った為アイドリングもしない状態になりました。ですが、エアフロメーター信号電圧の数値をマップ上で実際のスケールに合わせて割り振る事でエンジンECUは実際の吸入空気量を認識させることができました。そしてやっとアイドリング時からハーフアクセルまで回転を上げてのセッティングを進められました。この時点でも、エアフロメーターの数値はロギングデータを確認しつつ微調整しながら少しづつ進めていきます。
アイドリングからハーフアクセル時のセッティングの終了後、今度はアクセル全開エリアまでのセッティングと同時にATミッションプログラムのセッティングへと移ります。
 
ミッションプログラムのセッティングはエンジンECU現車セッティング時のみ行っています。理由としてはミッションプログラムの変更はお車のエンジンパフォーマンスに対応するベストなシフトタイミングにする為です。
例としては、高回転まで出力が伸びていくエンジンでレブリミット回転数を上げ出力を伸ばした方が良い場合、エンジンECU側でレブリミット回転数を上げただけではオートマのプログラム制御とのバランスを崩してしまい、更に出力アップが期待出来る場合でもベストなパフォーマンスを引き出すことが出来ません。そこで、各ギアのシフトタイミングもエンジンECUセッティングと同時に調整する事で、シフトアップ後にドロップしたエンジン回転数も確認しトルクが最適なエリアでシフトアップが行われているのかを調べていき調整していきます。これらのセッティングによりエンジンの出力の伸びがエンジンECUセッティングのみの場合より更に高出力が実現できます。
 
ミッションプログラムセッティングもエンジンECUセッティング同様に少しづつデータを入力したものをディバイスを通して車両に書き込みしシャシーを回して確認する作業を何度も繰り返して最適な状態までもっていきます。本当に地道な作業の連続です・・・。
『エンジンパワー+エンジントルク+ATシフトアップタイミング+アクセルレスポンス』これらのバランスを最適なところで保ちながら低速領域から高回転領域まで全てにおいてセッティングを無事に終了することが出来ました。
 
セッティングが無事に完了し、セッティング後の結果ですがピーク時の
エンジンパワーが246.9hp/5,957rpmトルク35.4kgキm/4,286rpm
セッティング前と比べるとエンジンパワーが4.2hpアップ!トルクが1.1kgキmアップ!
もともと他社のディバイスデーターを使用しノーマルデータから書き換えられていた為、出力アップされている状態でのセッティングでしたので入庫時とセッティング後の数値的な差は大きく見られませんでしたが、より緻密に現車を見ながらマップデータの見直しや補正、マップの製作をする事により更なるパワーアップ、トルクアップ、そしてATミッションプログラムセッティングによるシフトタイミングやアクセルレスポンスなど乗り味を向上させる事が出来ました。
 
ぜひ、ご興味がございましたら、お気軽にご連絡下さい!お待ちしております。

 
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