2011/12/7

ARHへダーズ取付け、SCダウンサイズプーリーによるブーストアップ
ECU現車セッティング（SCT SF3/9RECORDSオリジナルデータ使用）

最大出力476.3hp/5,934rpm、最大トルク64.2kgｷm/3,669rpm

最大出力572.2hp/6,067rpm、最大トルク70.2kgｷm/3,506rpm

今回は2011年式シェルビーGT500に当社正規ディーラーでありますアメリカンレーシングへダーズ
（ARH）のへダーズを取付けし、さらにノーマルスーパチャージャーのプーリーをダウンサイズしブーストアップしてのセッティングになります。
 
まずは車両の各部の点検からパワーチェック作業に入り、すべてに異常も無くへダーズの取付けにかかります。今回はへダーズ本体に耐熱用バンテージ（耐熱布）を巻いてからの装着となります。
へダーズはエキゾーストパイプですのでエンジンで作られた熱量を排気する際に一番先に受ける部分になります。ですのでヘダーズ自体の耐熱対策と同時に近辺の補機類の耐熱対策は大変重要になります。今回のオーナー様はサーキットの周回走行やタイムアタックをされるとのことでしたので、今後を考慮し作業を行いました。ARHのへダーズはその形状からもわかるようにとても複雑な形状をしています。ですので耐熱布を巻きつけるのも一苦労です。またシェルビーGT500のエキゾーストまわりはスペースも狭く取付けの際に複雑な形状のためとても難しく手間がかかります。そのような苦労もありますが、ARHのへダーズは排気効率が高く取付けてセッティングすると、とてもその効果が現れるので本当にオススメです！
 
次にスーパーチャージャー（SC）プーリーをノーマルからダウンサイズしたものを取付けます。シェルビーGT500のSCプーリーは圧入されている為、専用の特殊工具を用い外していきます。プーリーサイズの選択に関しましては今回はノーマルエンジン、ノーマルスーパーチャージャーという事ですので機械的な限界も考慮し、また燃料系統の容量やパワー出力特性を加味し選択しました。
取付け作業が全て完了しセッティング作業へ入ります。
セッティングではアイドリングから少しづつ回転を上げていきエンジンECUへ入力されるセンサー数値や追加で取付けたセンサーからの数値を監視しながらデータを製作し書き換える作業を繰り返します。
 
今回のセッティングポイントは大きく３つ。
まず一つ目はサーキット走行時のアクセルのハーフコントロールをし易くする為に中速回転領域での要求トルクやアクセルコントロールのマップをアクセルペダルの踏込み量に対しスロットル開度を細かくコントロール出来るようにしました。
 
二つ目はノーマル時のスーパーチャージャープーリーをダウンサイズしブーストアップする為スーパーチャージャーの回転がノーマル時に比べ速くエンジンに送られる風量も大きくなりエンジンへの負荷も大きくなります。その為アイドリング付近でもエンジンの回転数が不安定なるのでこの辺りの安定化やフューエルカットのタイミング、ダッシュポットコントロール（※）を緻密に行う事で改善しました。（※これはアクセルを離しエンジンブレーキをかけてからアイドリング状態になるまでのエンジン回転タイミングなどを制御により急激に落ち込む事を防ぎます。）
 
三つ目は国際サーキットでの走行が多いという点からストレート走行時などに伸びの良い高回転速度領域を保つ為、ノーマルスーパーチャージャーの限界値を把握し最適なダウンサイズプーリーを装着し、またARHへダーズを装着し排気効率も向上しましたのでエンジン含め全ての機構がバランス良く最大限ポテンシャルを引き出せるようなマップセッティングにしました。
 
セッティング後の結果ですが、ピーク時の
エンジンパワー572.2hp/6,067rpmトルク70.2kgｷm/3,506rpm
ノーマル時のデータと比較すると、
エンジンパワーが95.9hpアップ！トルクが6.0kgｷmアップ！
というデータが出て、エンジンパワーは約100hpともの凄い伸びを見せました！
 
今回のこの結果からもシェルビーGT500に関してはノーマルエンジン、スーパーチャージャーにダウンサイズプーリーとARHへダーズを装着した一つのパッケージとして大きな結果を出す事が出来ました。個人的にはこのパッケージにケニーベルスーパーチャージャーを追加装着したらあとどのくらいの出力が上がるのか興味があります。ですがノーマルスーパーチャージャーでもこれだけの出力アップが出来るとは本当に驚きですし、たくさんの方に実感して頂きたいと思います！
 
またパワーアップだけでは無く全領域でのトルク出力を安定させることも出来ましたので、乗り易さやコントロール性能アップ、アクセルレスポンスの良さなどを感じていただけるのではないでしょうか？今後のサーキットでのご活躍とインプレッションを楽しみにしております！
 
9RECORDSセッティングでは街乗りからサーキット走行、競技車両などと様々なシーンを想定し、シャシーダイノの様々な走行時の設定負荷を用いながらオーナー様のご希望に沿ったセッティングが可能です。
ぜひご興味がございましたらいつでもご連絡下さい！お待ちしております。
 
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