DODGE CHALLENGER SRT8 HURST A/T ③
2016/12/15
スーパーチャージャープーリーサイズ変更、ECU現車セッティング(DIABLO TRINITY T1000/9RECORDSオリジナルデータ使用)
最大出力636.0hp/5,414rpm、最大トルク92.7kgキm/4,227rpm
最大出力707.1hp/5,757rpm、最大トルク97.6kgキm/4,248rpm
今回は以前に当社にてエンジン製作し、KENNEBELLスーパーチャージャー・AMERICAN RACING HAEDERSヘダース/マフラー・GRANATELLI MOTOR SPORTSイグニッションコイル・BRISKプラグ他を取付けし、セッティングしたチャレンジャーの続編になります。
前回のセッティング時にはオーナー様からのご要望でスーパーチャージャープーリーのサイズを限界まで小さくしブーストを目一杯まで上げてパワーを出したいとの事でした。(詳しくはセッティング事例②をご覧下さい。)
セッティングも無事完了し納車させて頂いてからお乗りいただき、車両の各部点検とアフターフォーロー、また季節的に気温も下がってきた時期でしたので再度パワーチェックをさせて頂きました。外気温度が低くなっている状況でしたが吸気温度が上昇してしまう事が分かり、前回オーナー様にもお話ししたプーリーサイズを極限まで小さくした事が原因の吸気温度の上昇がやはり見られましたので、今回はこの対策として前回よりもプーリーサイズを適正サイズにアップし吸気温度を下げてセッティングを進めていきます。
作業としてまずクランクプーリーに対してのスーパーチャージャーのプーリー比を算出し全サイズでの暫定ブースト値を出します。この値から高出力の小さいサイズのいくつかのプーリーとベルトを準備し、その中でも低ブーストの比較的大きいサイズのプーリーに変更し、徐々にサイズを小さくしセッティングを行います。
セッティングのポイントとしては、プーリーサイズを前回より適正サイズにサイズアップする事で急激なブーストの立ち上がりや吸気温度の上昇を抑えそれにより点火時期も進める事が出来ます。これはスーパーチャージャー容量に対しスーパーチャージャーの回転がハイオクガソリンで適正回転数を超えてしまった事により吸気温度の上昇とスーパーチャージャーの駆動ロスなどが要因となり出力がダウンしてしまう為に再度プーリーサイズの見直しが必要となりました。
セッティング後の結果ですが、ピーク時の
エンジンパワーが707.1hp/5,757rpmトルク97.6kgキm/4,248rpm
という出力アップに成功しました。
前回の最小プーリーでのセッティング後のデータと比べると
エンジンパワーが71.1hpアップ!トルクが4.9kgキmアップ!という結果が出ました。
吸気温度とブースト圧、スーパーチャージャー容量やエンジン燃焼室構造による特性など全てを考え機械的に調整変更しながらそのたびに全開走行が出来るまでのセッティングを行いますので、繰り返し繰り返しの作業で何台分もの工程が必要にとなりました。かなりの手間や時間が掛かり大変でしたが、この作業でスーパーチャージャープーリー(ブースト圧)とエンジンのベストな組み合わせ、点火時期の限界点等も更に把握する事が出来、前回よりも更に高いベストなポテンシャルを引き出す事が出来て本当に良かったです。
このようにスーパーチャージャーのブーストアップは本当に奥が深く、今回も本当にたくさんのことを学ぶことが出来ました。苦労の末に得られた結果ももちろんですが、オーナー様のご希望通りにセッティングしお渡し出来ることが本当に嬉しく思います。
ぜひ、チャレンジャーのエンジン製作やブーストアップなどご興味ございましたら、どのようなことでも構いませんので、いつでもご連絡下さい!お待ちしております。
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