Mercedes-Benz SL55AMG BRABUS
2017/5/3
エンジンECUセッティング
最大出力389.9PS/5,322rpm、最大トルク63.4kg·m/3,194rpm
最大出力416PS/5,507rpm、最大トルク68.4kg·m/3,250rpm
こちらのお車は今回カムプロフィールを変更され、セッティングのご依頼でした。
カムプロフィール変更前に一度ご入庫頂き現状の確認とパワーチェックを行ったところ、最大出力389.9PS/5,322rpm、最大トルク63.4kg·m/3,194rpmというSTOCKデータでした。
この時にも各センサーを取り付けてのチェックだったのですが、高回転で空燃比が合っておらず途中で中止致しましたので、
高回転時の領域はパワーチャートもありますが、データが取れませんでした。
この判断が出来るのも、エンジンECUログを取りながら各部追加のセンサーを取り付けリアルタイムにて監視している為です。
そしていよいよカムプロフィール変更をしセッティングですが、
セッティング前の準備と致しまして、このお車はエンジンECUの解析作業が必要になります。
方法としましては、エンジンECUを取り外し開封して9RECORDSデバイスを直接基盤とアクセスさせ現在のエンジンECUの解析をします。
これは、英数字の羅列になるのですがどの領域がどのマップになっているか?どこまでの制御が可能か?等、多くの解析作業が必要になります。
実はこの作業は非常に神経を使う細かい作業になります。
エンジンECUの中には細密な基盤があり、蓋はしっかりとコーキングされており、基盤の一部は蓋部と接着されています。そのため基盤等を傷つけないよう慎重に時間をかけて行います。
開封後の基盤へのアクセスも、基盤の通信可能なアクセスポートへ直接ハンダ付けをします。
ここでも基盤に熱を入れ過ぎない様、ショートさせない様、基盤にダメージを与えないように為に細心の注意が必要となります。
ここまでが準備段階の前半部分です。
ここからは9RECORDSシャーシダイノを使用しセッティング事前確認作業を必ず行います。
この段階で今回発見出来た情報の一部をご紹介しますと、
このお車の制御にあります電動スロットルは、アクセルペダル踏み込み量を検知しエンジンスロットルバルブ開度比率をエンジンECUが制御するのですが、STOCKデータではハーフアクセル時の一部条件時にアクセルペダルは50%付近でもエンジン側スロットルバルブは100%付近になってしまう現象が見られました。
これは本国の味付けにもなるのですが、9RECORDSでは機械式スロットルの様にアクセルペダルを踏んだ量に対しスロットルバルブがリニアに開き、きっちり出力を出しコントロールしやすい制御をお勧めしておりますので、まずはこの部分を改善していきます。
しかし、この制御を変更するには新たなチューニングマップを製作しデータも作らなくてはいけません。ここは事前の解析も参考にしながらマップを製作し、リニアにコントロールする事に成功しました。
このスロットルコントロール制御を変更する事で、他の制御マップもエンジンECUが読みに行く制御エリアが変わりますので
他の制御も変更させていき結果的には
最大出力416PS/5,507rpm、最大トルク68.4kg·m/3,250rpmと出力アップにも成功し、
今までとは違うフィーリングへ変更する事にも成功しました。
今までよりピーク時のフィーリングはもちろんのこと、ハーフコントロールもとてもしやすくなっていると思います。
Merceds系のセッティングも多数ご依頼頂いており、多くの経験によりきっちり一つ一つを確認しセッティングしておりますので、パワーアップだけではなく走行時の乗り味・フィーリングの変更をお考えの方は是非お問い合わせ下さい!
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